珍しい19世紀末〜1920年代のオブジェ・ド・ボーテをご紹介します。
「オブジェ・ド・ボーテ」とはフランス語で「美の小物」のこと、
コンパクトケースと小物入れのセットです。
黒の絹グログラン織物製で、縁取りには18金製のパーツで飾っています。
裏側、
スナップ式で開くとこのように、
内部にプードリェール(コンパクト)を収納するケースです。
まずはプードリェール・ケースから、
幅9.2cm、縦8.7cmで、
中央には金文字で「パキャン ラ・ペ通り」とあり、
これはオートクチュリエの「メゾン・パキャン」の印です。
「メゾン・パキャン」は、1869年生まれのジャンヌ・パキャンが創設したフランスのオートクチュリエで、
19世紀末にヨーロッパ全土に名声を得たメゾンです。
( ↑ 1924年 メゾン・パキャン ラ・ペ通り3番地 パリ)
パリのラ・ペ通り3番地にメゾンを開き、パリとロンドン、ニューヨークにもブティックを持っていました。
貴婦人達が夜会に着るドレスを主流に、モダンデザインのスーツを発表するなど、フランスのグラン(偉大な)・クチュリエとして1913年にはレジオン・ドヌール勲章を与えられています。
パリのサロンでは、服だけでなく、パキャン・オリジナルのお洒落のオブジェなども扱っていました。
( ↑ 1911年 パリ メゾン・パキャン )
これはその当時のオブジェ・ド・ボーテの一つです。
ほぼ未使用で綺麗な状態で、なによりも18金を縁取りにつかった贅をつくしたつくりが魅力です。
プードリェールを仕舞えるケース位置サイズは幅7.8cm、縦7cm、厚み約3mmです。
黒のグログラン絹織物は、当時ならではの詰んで織ったもので、
綺麗なモアレ模様が浮き出ています。
360度、
角丸の見事な仕上げや、18金製飾りをご覧下さい。
角用に、丸みをおびたパーツを作ってあるのです。
これはジュエリーと同じ、宝飾師の仕事で、当時のメゾン・パキャンの仕事の精緻さが見て取れます♪
続いて小物入れ、
おそらく口紅やブラシ、ライターなどを入れていたのでしょう。
縦7.5cm 、幅4.5cm 、厚み1.2cmのサイズで、
口の部分にはプードリェールケースと同じ18金製のパーツ飾りと、同じく18金製の「R」と「M」の組み合わせモノグラム飾りがあります。
360度、
縁飾り、
このような当時のオブジェが綺麗な状態で見つかるのは大変珍しく、
持っているだけでも素敵な、メゾン・パキャンのオブジェ・ド・ボーテです。
大人の女性の為に♪
( ↑ パキャンのドレス ガゼット・デュ・ボン・トン誌掲載のコキアージュと名付けたドレス ジョルジュ・バルビエ画 1914年)
* 画像通り傷、破れ、裂けなどなく綺麗ですが、19世紀末〜1920年代のお品です。
撮影の光で白っぽく写っている部分がありますが、実物は均一の黒のグログラン絹織物です。
N. 1072 メゾン・パキャン オートクチュリエのオブジェ・ド・ボーテ/アンティークオブジェ
フランス 19世紀末〜1920年代
素材:18金・絹グログラン織物
コンパクトケースサイズ:L8.7cm x W9.2cm x D0.8cm
ケース部分サイズ: L7cm x W7.8cm
モノグラム付ケースサイズ:L7.5cm x W4.5cm x D1.2cm
セット価格:8万5千円(別販売不可)
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。
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by Page-Marie-Louise
| 2020-10-24 12:35
| オブジェ