1908年に発表されたバカラ、「ナンシー」をご紹介いたします。
「ナンシー」は、バカラの発祥の地フランス・ロレーヌ地方、バカラ村の近くの都市の名です。
縦横に交差する直線のクリスタル・タイエリ(カット)が特徴のデザインです。
格子模様は、どの文化でも、時代でも常にベーシックとして装飾の根底にあり、
世界に通じる正統派のデザイン、
(バカラ ナンシー・モデルカタログ)バカラならではの陰影のあるカット技術により、光を受けて繊細に煌めきます。
これはウィスキーやリキュールの為のセット、
キャラフ(英:デキャンタ)と6客のタンブラーです。
キャラフは重さ約1.8kgの重厚なもの、
首や栓の綺麗な角度の形など、バランスの良いデザインです。
タンブラーは「オールドファッション」という呼び名のもの、
19世紀初期、イギリス紳士達のスタイルが男性の装いの核となった時代の言葉でもあります。
そして19世紀に繁栄を極めた大英帝国時代、
ディナーの後や貴族専用の会員制バーで、紳士達がウィスキーを嗜む世界をイメージした名前です。
ナンシーは現在のバカラでも作り続けていますが、この口に向かって広がった形のタンブラーは今はもうありません。(ただし、2012年に日本でのみ復刻し限定販売があったそうです。)
底から光が広がって行くデザインは、クラシカルでいながらモダン♪
各タンブラーの底、キャラフの底にはバカラの刻印がございます。
厚みのある重厚なクリスタルに、ウィスキーやリキュールの琥珀色が映えそうですね♪
上に広がるタンブラーの形は、立ちのぼる香りを充分に楽しめます。
スコットランド製のツイードや、リネンのジャケットを着て、葉巻をくゆらせるイギリス紳士達の手元にはエレガントでクラシカル、
女性がさりげなく持つとマスキュランなタンブラーとのコントラストがシックでモダン、なにより女性がより素敵に見えるクリスタルです。
* バカラ Baccarat
「バカラ」はフランスで1764年に創設されたクリスタルガラスのメゾンである。
アンティークの作品で18世紀中期から19世紀後期までに作製されたオブジェの多くはヨーロッパ王侯貴族や大ブルジョワによるオーダーメイドであった。
バカラの良さは、ヨーロッパで最高と言われる鉛含有率30-38%の質の高いクリスタルガラスのクオリティ、カッティングの美しさ、金彩やグラビュール(彫刻)、エッチングを施し、金や銀、ブロンズで装飾した重厚で繊細なオブジェのデザインにある。
*クリスタル・タイユ
回転板を回しながらクリスタルガラスを刻む技法。
ダイヤモンド、キャレ(四角)、エトワール(星)等の名がついた幾何学模様を中心とした非常に多くのバリエーションがあり、それらの凹凸を違え模様を組み合わせ完成したデザインが刻まれ、1つのオブジェへ各技法と技術毎に4〜5人の職人が携わり完成させる。
バカラは1824年に、水力エネルギーによる回転板技術を取り入れた最初の工房で、最も完成度の高いオブジェを創作するに至る。
N.0473 ナンシー・ウィスキーデキャンタ&オールドファッション ゴブレット (タンブラー)/アンティーク オールドバカラ
フランス 1950~70年代
素材:クリスタルガラス
デキャンタサイズ:10cm角x H23.5cm
グラスサイズ:口径8.8cm x H9.6cm
デキャンタ・グラス6客セット価格:9万8千円(別売り不可)
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。