N.0276 フランスのブーケ手刺繍クロス/アンティークリネン・フランス刺繍
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フランス手刺繍のクロスをご紹介致します。
淡いヴューローズ色のリネンへ、
フランスの田園に咲くブーケが手刺繍されています。
「ヴューローズ」とは、フランス語で「薔薇の枯色」、
薔薇の花が枯れた時の古色で、
とても淡いベージュローズを言います。
リネンは細い糸を詰んで織ったもので、糸を染めた後に織り上げていますので、織り地のニュアンスが綺麗です。
縁は織り込まれ、細かい縫い目でオープンワークに始末されています。
四隅は三角に織り込んだ丁寧な仕事、
このような大小のブーケが刺繍されています。
ナルシス、ヒヤシンス、ブルーエ、
とフランスの春を告げる香りのブーケです。
刺繍は全てハンドメイドで、
一つの花びら、葉の中に多くの糸色を使った凝った刺繍です。
ナルシスの白い花びらにも、淡い黄色や紫が刺され、
縁を濃紺で仕上げて陰影を作り、
花のボリュームを出す為に、何重にも刺繍し、
ヒヤシンスのピンクや紫も、何段階もの色を使い、
縁には濃いアメジスト色を使っています。
まるで1枚の絵画のようなクロスです♪
リネンはいにしえの時代のもの、
細い糸で丹念に織った織り地は、触れるのも気持ちがいいアンティークリネンならではの質感です。
テーブルクロスやベッドカバーにもなり、ソファにかけても素敵です♪
フランス田園のブーケのクロスです。
(クリーニング済)
*ドライクリーニング、あるいはご自宅でクリーニング可。30度程度までの水にデリケート用洗剤で手洗いし軽く脱水後90%ほど乾いた段階で、アイロンを裏側からかけて下さい。
漂白剤、洗濯機のご使用はお薦め致せません。
*シミ、破れなくほぼ使用の形跡なく綺麗な状態ですが、1930-40年代のお品です。
N.0276 フランスのブーケ手刺繍クロス/アンティークリネン・フランス刺繍
フランス 1930~40年代
素材: リネン
サイズ:L325cm x W170cm
価格:6万5千円
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。
* フランスのアンティークリネンとは?ご存知でしょうか?
「リネン」は、夏は涼しく、冬は暖かい繊維です。
歴史は古く、すでに紀元前の古代エジプト時代には使われ、古代ギリシャ・ローマ時代にも存在していました。
ヨーロッパには古くからの「リネンの文化」があり、布地の名前だけではなく、寝具やクロス、寝間着に下着まで、すべてを総称して「リネン」と呼びます。
紀元前から培われた「リネンの文化」は、今でも深く人々の暮らしに存在しています。
18世紀には、インドから「コットン」が輸入され流行しますが、貴婦人達の寝具や下着は常に伝統のリネンのみ、今でも上質好きなパリジェンヌには大変好まれる素材です。
また、日本で一般に言う「麻」とは植物が違い、「リネン」は「亜麻」からできる繊維で、ヨーロッパでは四季を通じて愛される素材です。
いにしえの特に上質な「リネン」は、フランドル地方(現在の北フランス、ベルギーからオランダ地圏)の泥炭な土地で栽培されました。
冷感多湿の厳しい気候条件で育つ強靭な亜麻は、非常に細く長い繊維を作り出します。
その亜麻を、古くは手仕事で、後世には人の手のかかる機械で紡ぎ、織って作られたリネン地は代々の財産とされました。
結婚式には「持参金の一部としてのリネン一式」を揃え、王侯貴族や大ブルジョワ達の財産目録には、どれだけの数と質のリネンやレースが揃っているかを記され、代々受け継がれていきます。
「リネン」は古代エジプトの遺跡から発掘されるほど、数千年を土の中で過ごしても崩れないという大変強靭な繊維です。
古いハンドメイドのレースは全てリネン製で、400年以上経てもなお美しいままですが、その繊維の質の強さが見て取れます。
上質のリネンは、使うほどに、肌触り良く柔らかくなります。
吸湿性、速乾性に優れているため、夏は冷んやり気持ちよく、冬は保温性があり暖みのある素材なのです。
ヨーロッパでは、ひいおばあさまのお嫁入りリネンが、孫のおくるみになります。
フランスの産院では、しっとりとした艶のある柔らかそうなリネンに包まれた、幸せそうに眠る赤ちゃんが見られます。
何度も洗い100年を越えたリネンは、赤ちゃんの肌を守るのにふさわしい柔らかな生地に変わっていくのです。
最も強い繊維の王様が、最もか弱い存在を守るまでに変化し使われていくのですね。
日本の浴衣が、何度も洗われ柔らかくなり、最後は赤ちゃんのおむつになるのと同じ歴史です。
20世紀初期、デザイナーとして成功した”ココ・シャネル”がこんな言葉を残しています。
「リネンのシーツで眠り、リモージュのカップで朝のお茶を飲めたら、人生は最高」と。
リネンはヨーロッパの人々にとって文化であり財産であり、快い暮らしに欠かせないものです。
残念ながら現在では質の高いフランドル産の亜麻や、細い糸で織り上げるフランスの美しい織りとデザインの上質リネンは途絶えてしまいましたが、アンティークでは美しいお品が少ないがらも残っています。
パァジュ・ド・マリールイーズでは、そんなお品をご紹介していきます。