バカラのヴェール・ド・ヴァンをご紹介いたします。
「ヴェール・ド・ヴァン」とは「ワイングラス」のこと、
口、底の周囲に金彩の縁取り、
カップにはゴシック様式の金彩模様がアシッド・グラビュールで施され、
「RN」のモノグラムが金彩で飾ってあります。
アンティーククリスタルのアシッド・グラビュールは現代の品に比べて非常に細かく繊細なもので、模様も今に見られない独特な美しさを持っていますが、
これもその通り、
細かいゴシック模様が、流れるように装飾されています。
その上、このグラスの特別なのは、
金彩が「アゲート(瑪瑙)磨き」で仕上げられていること、
アシッドグラビュールの上から、何度も金彩を施し厚みを付け、
最期に「アゲート(瑪瑙)」で磨きをかけます。
そうすると、このリボン状のゴシック模様のような、
金の輝きと、立体的な金彩が生まれます。
これはいにしえのリモージュやセーブル磁器の、厚みがあり立体的な金彩模様にも使われる技術で、
全て人の手で行われる為、今ではこのような仕事はしていません。
また、しっかりと深く刻まれたグラビュールを、
拡大画像でご覧下さい。
人の手で、一つづつ作り上げるため、大変な時間と技術が必要です。
底にはバカラの刻印があります。
今はもう作られていないグラスで、ワインの香りをお楽しみ下さい♪
*割れ、カケ無く金彩は大変綺麗で、未使用のお品ですが、時代を経ています。
*洗浄は柔らかいスポンジで食器洗剤にてお手入れし、食器洗浄機、たわしなど固いもの、電子レンジは使用不可です。
* バカラ Baccarat
「バカラ」はフランスで1764年に創設されたクリスタルガラスのメゾンである。
アンティークの作品で18世紀中期から19世紀後期までに作製されたオブジェの多くはヨーロッパ王侯貴族や大ブルジョワによるオーダーメイドであった。
バカラの良さは、ヨーロッパで最高と言われる鉛含有率30-38%の質の高いクリスタルガラスのクオリティ、カッティングの美しさ、金彩やグラビュール(彫刻)、エッチングを施し、金や銀、ブロンズで装飾した重厚で繊細なオブジェのデザインにある。
*クリスタル・タイユ
回転板を回しながらクリスタルガラスを刻む技法。
ダイヤモンド、キャレ(四角)、エトワール(星)等の名がついた幾何学模様を中心とした非常に多くのバリエーションがあり、それらの凹凸を違え模様を組み合わせ完成したデザインが刻まれ、1つのオブジェへ各技法と技術毎に4〜5人の職人が携わり完成させる。
バカラは1824年に、水力エネルギーによる回転板技術を取り入れた最初の工房で、最も完成度の高いオブジェを創作するに至る。
* アシッド・グラビュール
加工しない部分を防腐剤で覆い、模様を削り取った後フッ化水素酸と硫酸の混合液で残りのガラス表面を溶解し凹凸模様を出す技法(腐食技法)。この技法は1771年に開発されましたが19世紀中期頃からよく使われるようになった。
アンティーククリスタルのアシッド・グラビュールは現代の品に比べて非常に細かく繊細なもので、模様も今に見られない独特な美しさを持っている。
N.0654 ゴシック模様金彩 モノグラムRN ヴェール・ド・ヴァン/アンティークバカラ
フランス 1938年~(底にバカラ刻印あり)
素材:クリスタルガラス・金彩
サイズ:H13cm x 直径6cm
価格:1万5千円
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。