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珍しいフランス磁器、「ヴューパリ」のグラン・タッスをご紹介します。
ヴューパリとは、18世紀後期からナポレオンⅢ世時代の19世紀中期に現存した「いにしえのパリ」(Old Paris)の名を持つパリ北東の磁器窯です。
(ヴューパリについての詳細は最下方参照 ↓ )
そして「グラン・タッス」とは大きめのカップ&ソーサーのこと、
ショコラ(ホットチョコレート)や紅茶用で、カップは通常より大きめでゆったりとしたサイズが特徴です。
またソーサーは高さが約3.3cmの深さのあるクラシカルな形です。
この磁器の珍しいのは、
カップとソーサーに絵違いの風景画が絵付け(ハンドペインティング)してあることです。
全体にグレーと白の2色使いで、金彩で装飾があります。
流れるようなルイ14世時代様式の金彩、
ソーサーの中央にはフランスの田園風景が描いてあります。
風景画は直径約8cmの中に描かれ、
この木の幹は約2mmの幅、
その中にまるで1枚の油絵のように、様々な色彩を使い幹の質感を出しています。
白い鳥も1羽は2mm、
5羽それぞれに、表情があります。
カップにもソーサーとは違う風景画があり、
川の流れに、
水車小屋の前には人が佇んでいます。
カップも白と淡いグレーの2色使いで、
流れるようなルイ14世時代様式の金彩です。
底、
刻印については下方の「ヴューパリ」の説明をご一読下さい。
磁器はヴューパリならでは、厚めで硬質な白さが特徴の磁器で、触れ合う高音も質の高さを表しています。
この磁器は、いまだ磁器が王侯貴族だけのものであった(一般は木やスズ、陶器など)1835~50年代のルイ・フィリップ王時代のお品で、
元来フランスの磁器には風景画は稀少ですが、当時宮廷で流行したイギリス趣味により、
このような田園風景が描かれたものが作られました。
期間が短かったため、現存は少ないものです。
飲む度に、フランスの田園風景を楽しめるグラン・タッスです♪
*画像通り模様や金彩は綺麗で(金彩には画像に見られるように少し摩耗はあります)、磁器には傷、欠け、割れなどはありませんが、1835~50年頃のお品です。
* ヴューパリ
「ヴューパリ」( いにしえのパリ / Old Paris )は、18世紀後期からナポレオンⅢ世時代の19世紀後期、パリ北東に開かれた窯で創作された磁器です。
別名「ポースレーヌ・ド・パリ」(パリの磁器)とも呼ばれます。
1765年にリモージュ近郊のサンテリュー・ラペッシュという地域で極上の陶土が発見され、非常にきめ細かく、白く硬質なリモージュ窯が現れました。
そしてセーブル窯と共にフランスの磁器は発展を遂げ、各時代の王は工房設立を奨励し、
元リモージュやセーブル窯の職人を率いた工房主はパリ北東にヴューパリ窯を設立しました。
ヴューパリの特徴は、白くきめ細やかで大変硬質、表面に艶があり磁器自体に重厚感があること、
そして装飾には多くの色彩と金彩が多く使われ、古代風景やギリシャ神話、ブーケを組み合わせた豪奢なヴューパリ様式と言われる際立つ特徴を持っています。
フランス国内の王侯貴族や豪奢なブルジョワジー達を顧客に、大量には作られなかった為、現存は多くありません。
デザイン、質共に上質な磁器を創作した窯の名にはダゴティ(1771-1840)、ナスト、シャルシェールが3大ビューパリとして知られていますが他にもあり、当時作られた磁器の70%は刻印が付けられておらず、ある場合は青又はレンガ色でアルファベット又は数字で、いずれも窯を表すマークではなくデザインや職人の見分けの目的で付けられた印でした。
1870年代にナポレオンⅢ世時代の終焉と共に、窯は閉じられました。
N.0732 田園詩・絵付けと金彩のグラン・タッス /ヴューパリ・フランスアンティーク磁器
フランス 19世紀前期(1835~50年頃)
素材:磁器・金彩・絵付け(ハンドペインティング)
サイズ:ソーサー直径18cm x H3.3cm カップ直径12.5cm x H6cm
価格:Sold-
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