古い時代のクリシーのグラスをご紹介致します。
19世紀のお品で、
新緑のような色のクリスタルガラスへ、
金彩とエマイユで装飾があります。
「フィーユ・ヴェール」とはフランス語で新緑の黄緑色のこと、
新緑色のクリスタルガラスを背景に、
可憐なマーガレットと葉のガーランド模様が描いてあります。
このグラスの素敵なところ、
それはエマイユが使ってあることです。
マーガレットの花と実をご覧下さい。
エマイユは立体的に盛り上げており、しかも白とピンク、そしてオレンジ色の3色使いです♪
色違いのエマイユは、色毎に温度を変えて熱を加え定着させるため、
何度も繰り返して窯に入れますので大変手間のかかる技術です。
その上、葉やガーランドは金彩で、
足はトルサード、
ガラス職人の吹きガラス技法によって作ってあり、
16世紀のヴェネチィアン・グラスの古式ゆかしいデザインを取り入れています。
底と口にも金彩があり、金彩は大変綺麗な状態です。
可憐なグラスには、沢山の高度な技術が使ってあるのですね。
春の草原に咲く花々を思わせるような、フィーユ・ヴェールのグラスです♪
* 画像通り割れ、カケ、傷などなく金彩やエマイユも大変綺麗ですが、19世紀中期〜後期のお品です。
*金銀彩
主に18世紀から19世紀後期の王侯貴族の注文品であったオブジェに見られる。バカラやサンルイ、クリシーの金彩は厚みがありハイキャラットゴールドを使用、100年を超えてなおその色と繊細な絵をとどめている。
*クリシー Clichy
「クリシー」は1839年にルイ・ジョセフ・マエにより創業、
パリの北東に位置するクリシー・ラ・ガレンヌの19世紀のクリスタルガラス・メゾンである。
バカラ、サン・ルイと並ぶフランスの最も偉大なメゾンで、クリスタルガラスを熟知した技術者ルイ・クレマンドの参画により、質の高いクリスタルガラスのクオリティを保ち、ナポレオン3世皇帝時代に最盛期を迎えている。
クリシーの素晴らしさは流麗で繊細なデザインに現れ、美しい形、グラビュール(彫刻)、金彩、色、レース状、ブロンズ装飾のクリスタルガラスを創作。
1844年のパリ万博で銀賞、1849年には金賞を受賞しその名を世界に広め、
20世紀のごく初期にメゾンの幕は閉じられましたが、創業者のマエ一族は現在も当時の城館を維持し、フランスのクリスタルガラスの歴史を体現する学者としてメゾンの名を守り、家系は存続している。
N.0800 フィーユ・ヴェール・花のエマイユと金彩・クリシー/フランスアンティーククリスタル
フランス 19世紀中期〜後期
素材:エマイユ・金彩・クリスタルガラス
サイズ:H16cm x 口直径5.8cm x 底直径6.9cm
価格:4万2千円
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。