森の鹿がグラビュール(陰刻)してある、ボヘミアクリスタルのショップをご紹介いたします。
どっしりとしたクリスタルガラスへ、
グラビュールによりクリスタルを浮き出し、全面に彫刻をしてあります。
ドイツやボヘミアの深い森の中で駆け抜ける牡鹿と雌鹿、そばには小川が流れ太い幹の木々が茂っています。
蓋付きグラス「ショップ」で、
「ショップ」とはビールグラスのこと、
いにしえのビールは気泡が抜けやすかったため、このような蓋付きのビールグラスでした。
蓋にはダイヤモンドカットで、クリスタルガラスがセットしてあり、
フレームは錫製です。
このようなショップグラスは、王侯貴族の狩猟の際に、参加者たちへ贈られました。
グラビュールはこんな薄いクリスタルに数十段階にも深さを変えて彫ってあり、鹿や木々の表情を出しています。
蓋には鹿の角のデザインがあります。
厚さ約4~5mmの重厚なクリスタルガラスで、
グラスは持ち手部分を除いて7面体にクリスタルタイユされ、
深いグラビュールが魅力、
ボヘミアのクリスタルガラスの中でも、高い技術を持つ彫刻師の仕事をご覧下さい。
何層にも分けてグラビュールを施し、陰影をつけています。
牡鹿の表情や、毛並みまで伝わって来ますね♪
木々や草原の表現も見事です。
19世紀のボヘミアクリスタルならではのグラビュールのお品です。
*割れ、カケ、目立つ傷などは無く綺麗ですが、19世紀のお品です。
* グラビュール / タイユ・グラビュール
模様に合わせサイズや形を変えた銅製の回転板を回しながらクリスタルガラスを彫刻する技法。
非常に小さなものをはじめ様々なサイズや形の銅製回転板の使用で、流線型の植物、人物など具象的で繊細な模様の表現がなされた。
瞬時に彫刻する鋭敏な感性と技術が必要で工房の中でもマイスターのみの仕事とされ、当時でも大変高価なオブジェでありアンティークの現存品は稀少。
バカラやサン・ルイ、クリシーで使われる最高難易度の彫刻技術でもある。
カメオ(陽刻)技法はルリエフ・グラビュール(レリーフ・エングレーヴィング)と呼ばれる。
*クリスタル・タイユ
回転板を回しながらクリスタルガラスを刻む技法。
ダイヤモンド、キャレ(四角)、エトワール(星)等の名がついた幾何学模様を中心とした非常に多くのバリエーションがあり、それらの凹凸を違え模様を組み合わせ完成したデザインが刻まれ、1つのオブジェへ各技法と技術毎に4〜5人の職人が携わり完成させる。
バカラは1824年に、水力エネルギーによる回転板技術を取り入れた最初の工房で、最も完成度の高いオブジェを創作するに至る。
N.0867 森の鹿 グラビュール〜ボヘミアクリスタルガラス・ショップ/アンティーククリスタル
ボヘミア 19世紀
素材:クリスタルガラス・錫
サイズ:H16cm(本体)H18cm(持ち手飾り含め) x 直径8cm
価格:6万7千円
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。