古い時代の、バカラ又はサン・ルイの花瓶をご紹介いたします。
19世紀中頃、ナポレオン3世皇帝時代の、古代の壺「アンフォラ」型で、
大変珍しい菫色のクリスタルガラス製です。
春に森に咲く、匂い菫のような深い紫で、
中央には金彩でシメールの模様があります。
金彩の上下には白のエマイユで、古代ギリシャ様式の文様を飾っています。
360度、
中央拡大、
シメール(キマイラ)は、
鷲の頭にライオンの体躯で竜の尻尾に翼のある、ギリシャ神話の怪物です。
より古い時代では、それぞれの動物が四季を表し、
聖獣であったとも伝えられています。
シメールをシメントリーに配し、
反対側はアカントスの葉模様がシメントリーの模様です。
この金彩が珍しいのはデッサンのようなラインが描かれていること、
画家がクリスタルに描いたような技法の金彩です。
花瓶は「スフレ」という吹きクリスタルガラス技法で作られ、
口と底にも金彩のラインがあり、
本体にはスフレ技法で作った面取りのような、ストライプ状のラインがあります。
光に透かして、
花瓶全体が菫色です。
(透明ガラスと色ガラスの重ねの「色被せ」ではなく、クリスタルガラス自体が中まで菫色の意味)
現在の在庫は2器、
深い菫色の宝石「アメジスト」を花瓶にしたようなクリスタルガラスのオブジェで、
マリールイーズでも初めてのご紹介となるくらい、大変珍しいお品です。
ペアで飾られるのも素敵です。
* 画像通りカケ、割れ、傷などなく綺麗ですが19世紀中頃のお品です。
お手入れは、熱湯、食器洗浄機・乾燥器のご使用はお避け下さい。
*金銀彩
主に18世紀から19世紀後期の王侯貴族の注文品であったオブジェに見られる。バカラやサンルイ、クリシーの金彩は厚みがありハイキャラットゴールドを使用、100年を超えてなおその色と繊細な絵をとどめている。
* バカラ Baccarat
「バカラ」はフランスで1764年に創設されたクリスタルガラスのメゾンである。
アンティークの作品で18世紀中期から19世紀後期までに作製されたオブジェの多くはヨーロッパ王侯貴族や大ブルジョワによるオーダーメイドであった。
バカラの良さは、ヨーロッパで最高と言われる鉛含有率30-38%の質の高いクリスタルガラスのクオリティ、カッティングの美しさ、金彩やグラビュール(彫刻)、エッチングを施し、金や銀、ブロンズで装飾した重厚で繊細なオブジェのデザインにある。
* サン・ルイ Saint-Louis
「サン・ルイ」は16世紀からの歴史を持つフランスのクリスタルガラスのメゾンである。
1767年にルイ15世により王立クリスタルメゾンとして「サン・ルイ/Saint-Louis」の名が与えられ、以降バカラと共にフランスを代表するメゾンとして今に至る。
サン・ルイは、13世紀カペー王朝の「フランス王ルイ9世」の名から付けられた。
ルイ9世は、君主制をしきパリにサン・シャペル礼拝堂建設、多くの病院を創設し十字軍騎士の模範としてフランス史上最も高潔な王と言われ十字軍遠征により1270年に没後、1297年にローマ法王ボニファスより聖列に加えられ「Saint-Louis(聖王ルイ)」となった。
クリスタルガラスの質はバカラと共にヨーロッパ最高峰であり、フランス的な構築的で精緻なデザインが特徴の一つである。
N.1010 菫色のクリスタル・シメールの金彩&白エマイユ 〜アンフォラ型花瓶/アンティークバカラ又はサン・ルイ
フランス 19世紀中頃
素材:クリスタルガラス・金彩・エマイユ
サイズ:H17cm x 中央直径9cm x 口直径9cmx底直径8cm
1器価格:Sold- 2器ペア価格:Sold-
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。