フランス、19世紀中期-後期のアンティークバカラのフラコン・ド・パルファムです。
ボトル全体に模様彫りと、ラインの金彩が4重にあります。
この波模様の彫刻の拡大写真をご覧下さい。2cm四方の中へこのように繊細なエッチングを施しています。
手に持っても何処にあたる部分もなく、いつまでも触れていたい感覚になるようなこの繊細なエッチングの素晴らしさが実感できます。
19世紀の素晴らしい技の一つです。
栓はダイヤモンドカットで、重みがあり、トップには星の金彩があります。
アンティークバカラの栓のダイヤモンドカットは、いくつのファセット(面)があるかご存じですか?
基本的には30〜150ファセットあります。(大きさにより違いはありますが)もともとは丸いクリスタルへほぼ均一にこのカットをつけていくのはいかに技術と時間が必要か・・・と考えると、近代の香水瓶やデキャンタにはダイヤモンドカットの栓が無い理由がわかりますね。
これもアンティーク・バカラの良さの一つなのです。
彫刻はまるで雲のようで、夜のとばりが降りてきそうな夕刻に
濃紺とグレーの雲が混ざり合い、星が見え隠れしているようなパリの空・・・
という印象をうけるロマンティックなデザインです。
ダイヤモンドカットの栓がきらきらと輝き、彫刻されたボトルは繊細な表情をみせてくれ、
コントラストの綺麗な香水瓶です。
飾って置くだけでも、光を通し綺麗に輝き目を楽しませてくれるオブジェです。
鉛の含有量が世界一高く、透明度の高いクリスタルガラスはバカラの特徴の一つですが、
アンティーク・バカラはより一層厚いクリスタルで、独特の重厚感があります。
作品番号が陰刻されています。
* アンティークバカラの金彩
1764年の創立以降、主に18世紀から19世紀後期の王侯貴族の注文品であったオブジェに見られます。バカラの金彩は厚みがありハイキャラットゴールドを使用、100年を超えてなおその色と繊細な絵をとどめています。
* アシッドグラビュール(エッチング)技法
加工しない部分を防腐剤で覆い、模様を削り取った後フッ化水素酸と硫酸の混合液で残りのガラス表面を溶解し凹凸模様を出す技法(腐食技法)です。この技法は1771年に開発されましたが19世紀中期頃からよく使われるようになりました。
アンティーククリスタルのエッチングは現代の品に比べて非常に細かく繊細なもので、模様も今に見られない独特な美しさを持っています。
* Baccarat
バカラはフランスで1764年に創設されたクリスタルガラスのメゾンです。
アンティークの作品で18世紀中期から19世紀後期までに作製されたオブジェの多くはヨーロッパ王侯貴族や大ブルジョワによるオーダーメイドでした。
バカラの良さは、ヨーロッパで最高と言われる鉛含有率30%-38%の質の高いクリスタルガラスのクオリティ、カッティングの美しさ、金彩やグラビュール(彫刻)を施し金や銀で装飾した重厚で繊細なオブジェのデザインにあります。
パァジュ・ド・マリー・ルイーズではヨーロッパ最高のクリスタルメゾンのアンティークバカラの中でも、他では見られない珍しく美しい品をセレクトしご紹介しています。どのオブジェもパリのバカラ美術館へ同様の作品が保存されていますが、市場では殆ど見られない稀少なコレクションです。
N.0138 フラコン・ド・パルファム 香水瓶 パリの空のようなクリスタルガラス/アンティークバカラ
フランス 19世紀中期-後期
素材:クリスタルガラス・金彩
サイズ:大直径7.0 cm x H18.0cm
小直径5.5cm x H15.0cm価格:大 3万1千円
*** 小はSold-となりました、ありがとうございました。**** お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。