19世紀中期のアンティークバカラのフラコン・ド・パルファム、ペアです。
香水やオー・ド・コローニュ、貴婦人が眠る前に飲む香りの高いリキュールを入れ、
ドレッサーへ飾っておくためのオブジェです。
栓はダイヤモンドカットで作品番号が陰刻され、星形の金彩が上にあります。
アンティークバカラの栓のダイヤモンドカットは、基本的には30〜150ファセットあります。
もともとは丸いクリスタルへほぼ均一にこのカットをつけていくのはいかに技術と時間が必要か・・・と考えると、近代の香水瓶やデキャンタにはダイヤモンドカットの栓が無い理由がわかりますね。
これもアンティーク・バカラの良さの一つなのです。
ボトルの口はフリルのようになっており金彩が施されています。
ボトルにはアシッドエッチングで繊細なルネサンス様式でレース模様が彫られています。
このフラコンの珍しいのは、ボトルの首部分にもエッチングがあり、金彩でまっすぐに縁取りがされています。
フリルやレース模様が優雅な貴婦人のオブジェです。
* アンティークバカラの金彩
1764年の創立以降、主に18世紀から19世紀後期の王侯貴族の注文品であったオブジェに見られます。バカラの金彩は厚みがありハイキャラットゴールドを使用、100年を超えてなおその色と繊細な絵をとどめています。
* アシッドエッチング技法
加工しない部分を防腐剤で覆い、フッ化水素酸と硫酸の混合液で残りのガラス表面を溶解し凹凸模様を出す技法(腐食技法)です。この技法は1771年に開発されましたが19世紀中期頃からよく使われるようになりました。
19世紀のアンティークバカラのエッチングは現代の品に比べて非常に細かく繊細なものです。
* Baccarat
バカラはフランスで1764年に創設されたクリスタルガラスのメゾンです。
アンティークの作品で18世紀中期から19世紀後期までに作製されたオブジェの多くはヨーロッパ王侯貴族や大ブルジョワによるオーダーメイドでした。
バカラの良さは、ヨーロッパで最高と言われる鉛含有率30%-38%の質の高いクリスタルガラスのクオリティ、カッティングの美しさ、金彩やグラビュール(彫刻)、エッチングを施し、金や銀、ブロンズで装飾した重厚で繊細なオブジェのデザインにあります。パァジュ・ド・マリー・ルイーズではヨーロッパ最高のクリスタルメゾンのアンティークバカラの中でも、他では見られない珍しく美しい品をセレクトしご紹介しています。どのオブジェもパリのバカラ美術館へ同様の作品が保存されていますが、市場では殆ど見られない稀少なコレクションです。
N.0159<アンティークバカラ / フラコン・ド・パルファム 香水瓶ペア・レース模様>
フランス 19世紀中期
素材:クリスタルガラス・金彩
サイズ;直径8.5cm x H17.0cm
ペア購入価格:5万円
1品購入価格:2万5千円
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。