フランスのベルエポック期、 1900年前後の美しいエヴァンタイュをご紹介します。
「エヴァンタイュ」とは、フランス語で「扇」のこと、
鼈甲の柄に白とグレーのオーストリッチの羽根をセットした扇です。
鼈甲はフランスで「ブロンド」、と呼ばれる均一の飴色で作られています。
裏面、
鼈甲は綺麗な状態です。
柄は中央で鼈甲パーツにより閉じ合わせ、チェーンが付けられています。
チェーンには、揺れるリボンやタッセルが付けられる事もありました。
また鼈甲には18金製のオーナメントパーツがセッティングしてあります。
繊細なルネサンス様式のオープンワーク、
葉模様の飾りで、彫刻が施してあります。
閉じたところ、
羽根には抜け、傷みはありません。
オリジナルボックス付きで、
当時、パリの中心、マドレーヌ大通り11番地にあった「デュヴェルロワ」と言う名の
「エヴァンタイユ工房」作と記されています。
「デュヴェルロワ」は当時、ヨーロッパの王侯貴族御用達の扇工房&贅沢品の店として有名でした。
箱の内部はリーフグリーン色の張り紙製、
扇は仕舞っておけますが、箱には傷みがあります。
扇裏面の鼈甲の柄には、「デュヴェルロワ」の彫刻印があります。
オーストリッチは17世紀頃からアフリカよりヴェネチィアやオランダの海洋貿易を通じてヨーロッパへもたらされ、
王侯貴族達のオブジェに使われました。
特に貴婦人達に好まれ、
扇をはじめ、羽根ペンや帽子へ飾られました。
この絵画は1660年のフランドル(現在のベルギー&オランダ)の画家レンブラント作の
「オーストリッチの扇を持つ貴婦人」(アメリカ・ワシントンナショナルギャラリー所蔵)
です。
17世紀独特のモノトーンの装いに、金銀やダイヤモンドを使った美しいジュエリーを着け、
フワッと白いオーストリッチの扇を携えた姿です。
レンブラントへ描かせる肖像画へ、
当時、稀少なオブジェの一つであったオーストリッチの羽根の扇を加えているのは、
遠くアフリカから運ばれ、異国の珍しいものを手に入れることができた、
貴婦人の階級と好みを現しています。
また、ベルエポック期には華やかなドレスやジュエリーに身を包んだ貴婦人達が、
オーストリッチの扇を手に持ち夜会へ向かいました。
扇の仕草一つで、相手にメッセージを送る、という遊びもありました。
もちろん使用は可能ですし、現代はオブジェとして銀器やクリスタルとともに飾りますと、大変映えるアンティーク・オブジェです♪
N.0536 ベルエポックのエヴァンタイュ グレーオーストリッチ扇/アンティークオブジェ
フランス 1900年頃
素材:18金・鼈甲・オーストリッチ羽根
サイズ:一番上の画像(広げた状態)L45cm x W66cm 鼈甲の柄L24cm
18金オーナメントサイズ:L6cm x W1.8cm
価格:18万5千円
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。
アンティーク小物 銀 皮革品 ケース ボックス バッグ&エルメス ジュエリーボックス
by Page-Marie-Louise
| 2021-04-02 02:57
| オブジェ