*** こちらのお品はSold-となりました、ありがとうございました。***
アンティークバカラあるいはクリシーの、素晴らしい花瓶をご紹介します。
クリスタルガラス一面に、グラビュールが施されたオブジェ、
ジャポニズム様式です。
グラビュールの素晴らしさを、以下の画像でご覧下さい。
貝殻やオーナメント模様に、愛らしい鈴蘭や草花が流れる様に彫られています。
厚みのあるクリスタルで、何層にも深みを付けた手法で彫ってあります。
美しいのはこの水面を現すような模様、
細かい彫りの技術で、波を現しています。
底には格子に水玉の彫り、
波打つような貝殻の表現♪
波模様、
この花瓶の最も美しく粋な「ジャポニズム」的なところ、
それはこの口部分の彫りにあります。
半紡錘形に彫られた口部分をよくご覧下さい。
模様が口の部分で途切れる様に彫られ、
まるで見えないその上に、模様を感じさせる様にデザインされているのです。
これは古来から、様々な日本の芸術に見られるデザイン、
例えば光琳の有名な屏風図に見られるように、
一つのモチーフをそのまま全て表現さず、あえて端だけ見せてモチーフがオブジェの横から飛び出して来たように見せたりする描き方、
光琳にかぎらず、多くの日本の芸術家や工芸師たちが作り上げた「遊び心」と「その先を想像させる」というテクニックの一つです。
模様に奥行きを出すと同時に、その先を想像させる模様・・・
なんとも粋なものですね♪
お茶席にも良いですし、日本の床の間などにも合います♪
このような手法は、西洋美術ではルネサンス時代のイタリア芸術では見られますが、
19世紀当時には、日本からヨーロッパへもたらされた数々の工芸品が、アールヌーヴォーの源流となり、
ヨーロッパ、多くはフランスの芸術工芸に多大な、数えきれないほどの影響を与えたのです。
重厚なクリスタルガラスへ現された、
フランスの芸術家達が憧れた、ジャポニズムの粋を集めたクリスタル・オブジェです。
割れ、カケ、傷などはありません。
* グラビュール / タイユ・グラビュール
模様に合わせサイズや形を変えた銅製の回転板を回しながらクリスタルガラスを彫刻する技法。
非常に小さなものをはじめ様々なサイズや形の銅製回転板の使用で、流線型の植物、人物など具象的で繊細な模様の表現がなされた。
瞬時に彫刻する鋭敏な感性と技術が必要で工房の中でもマイスターのみの仕事とされ、当時でも大変高価なオブジェでありアンティークの現存品は稀少。
バカラやサン・ルイ、クリシーで使われる最高難易度の彫刻技術でもある。
カメオ(陽刻)技法はルリエフ・グラビュール(レリーフ・エングレーヴィング)と呼ばれる。
* バカラ Baccarat
「バカラ」はフランスで1764年に創設されたクリスタルガラスのメゾンである。
アンティークの作品で18世紀中期から19世紀後期までに作製されたオブジェの多くはヨーロッパ王侯貴族や大ブルジョワによるオーダーメイドであった。
バカラの良さは、ヨーロッパで最高と言われる鉛含有率30-38%の質の高いクリスタルガラスのクオリティ、カッティングの美しさ、金彩やグラビュール(彫刻)、エッチングを施し、金や銀、ブロンズで装飾した重厚で繊細なオブジェのデザインにある。
*クリシー Clichy
「クリシー」は1839年にルイ・ジョセフ・マエにより創業、
パリの北東に位置するクリシー・ラ・ガレンヌの19世紀のクリスタルガラス・メゾンである。
バカラ、サン・ルイと並ぶフランスの最も偉大なメゾンで、クリスタルガラスを熟知した技術者ルイ・クレマンドの参画により、質の高いクリスタルガラスのクオリティを保ち、ナポレオン3世皇帝時代に最盛期を迎えている。
クリシーの素晴らしさは流麗で繊細なデザインに現れ、美しい形、グラビュール(彫刻)、金彩、色、レース状、ブロンズ装飾のクリスタルガラスを創作。
1844年のパリ万博で銀賞、1849年には金賞を受賞しその名を世界に広め、
20世紀のごく初期にメゾンの幕は閉じられましたが、創業者のマエ一族は現在も当時の城館を維持し、フランスのクリスタルガラスの歴史を体現する学者としてメゾンの名を守り、家系は存続している。
N.0531 ジャポニズムのグラビュール・クリスタルの鈴蘭 花瓶/アンティークバカラ又はクリシー
フランス 19世紀後期
素材:クリスタルガラス
サイズ:口直径6.6cm x 中央W10cm x H11.6cm
価格:Sold-
お問い合わせはこちらのページへどうぞ
*アンティークバカラ・フランス磁器 カタログページへ戻る*
アンティークジュエリー
ー