* フランスのアンティークリネン *
ご存知でしょうか?
「リネン」は、夏は涼しく、冬は暖かい繊維です。
歴史は古く、すでに紀元前の古代エジプト時代には使われ、
古代ギリシャ・ローマ時代にも存在していました。
ヨーロッパには古くからの「リネンの文化」があり、布地の名前だけではなく、
寝具やクロス、寝間着に下着まで、すべてを総称して「リネン」と呼びます。
フランスではリネンを「ラン」と言いますが、下着の「ランジェリー」はこの「ラン」という言葉からでてきました。
言葉をたどると、物の歴史がわかると言いますが、リネンがヨーロッパでは大変身近な素材であるかがわかります。
紀元前から培われた「リネンの文化」は、今でも深く人々の暮らしに存在しています。
18世紀には、インドから「コットン」が輸入され流行しますが、
貴婦人達の寝具や下着は常に伝統のリネンのみ、今でも上質好きなパリジェンヌには大変好まれる素材です。
また、日本で一般に言う「麻」とは植物が違い、「リネン」は「亜麻」からできる繊維で、
ヨーロッパでは四季を通じて愛される素材です。
これはリネン畑、
花は美しい青色で、小さく可憐です。
いにしえの特に上質な「リネン」は、
フランドル地方(現在の北フランス、ベルギーからオランダ地圏)の泥炭な土地で栽培されました。
また、リネンは布地になるだけでなく、実からはリネンオイルも採れます。
あの可憐な青い花が実になり、このような黄金色のオイルになります。
冷寒多湿の厳しい気候条件で育つ強靭な亜麻は、非常に細い繊維を作り出します。
その亜麻を、古くは手仕事で、後世には人の手のかかる機械で紡ぎ、
織って作られたリネン地は代々の財産とされました。
結婚式には「持参金の一部としてのリネン一式」を揃え、
王侯貴族や大ブルジョワ達の財産目録には、どれだけの数と質のリネンやレースが揃っているかを記され、代々受け継がれていきます。
「リネン」は古代エジプトの遺跡から発掘されるほど、
数千年を土の中で過ごしても崩れないという大変強靭な繊維です。
古いハンドメイドのレースは全てリネン製で、
400年以上経てもなお美しいままですが、その繊維の質の強さが見て取れます。
上質のリネンは、使うほどに、肌触り良く柔らかくなります。
繊維1本を見ますと、マカロニのように中央に穴が開いています。
そのため吸湿性、速乾性に優れ、夏は冷んやり気持ちよく、
冬は保温性があり暖みのある素材です。
ヨーロッパでは、ひいおばあさまのお嫁入りリネンが、孫のおくるみになります。
フランスの産院では、しっとりとした艶のある柔らかそうなリネンに包まれた、幸せそうに眠る赤ちゃんが見られます。
何度も洗い100年を越えたリネンは、赤ちゃんの肌を守るのにふさわしい柔らかな生地に変わっていくのです。
最も強い繊維の王様が、最もか弱い存在を守るまでに変化し使われていくのですね。
日本の浴衣が、何度も洗われ柔らかくなり、最後は赤ちゃんのおむつになるのと同じ歴史です。
20世紀初期、デザイナーとして成功した”ココ・シャネル”がこんな言葉を残しています。
「リネンのシーツで眠り、リモージュのカップで朝のお茶を飲めたら、人生は最高」と。
リネンはヨーロッパの人々にとって文化であり財産であり、快い暮らしに欠かせないものです。
残念ながら現在では質の高いフランドル産の亜麻や、
細い糸で織り上げるフランスの美しい織りとデザインの上質リネンは途絶えてしまいましたが、
アンティークでは美しいお品が少ないがらも残っています。
パァジュ・ド・マリールイーズでは、そんなお品をご紹介していきます。
*上の画像の全てのお品は在庫無及び非売品です。
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〜 追伸
上では、リネンについてのさまざまなお話をお伝え致しました。
布地については良くご存知の方も多いと思いますが、
オイルについてはご存知でしょうか。
リネンの実から取れる黄金色のオイルは、いったいなにに使うのでしょう?
リネンオイルは、フランスではいにしえから家庭に1瓶と言われています。
まず質の高い精製されたオイルは食用として使います。
脂肪酸やリノレン酸といわれる栄養素を豊富に含んでおり、
脳が活発に動くよう、またいわゆる血液をさらさらにする作用がある良質の脂肪酸だそうで、人の体内では作ることができ無い必要な栄養素のために、サプリメントにも用いられています。
他には、油絵の具の材料や、家具を磨くオイルに使います。
歴史ある油絵、
化学薬品が登場する19世紀以前は、油絵の具は画家が鉱物や植物をつぶし、油を混ぜて作りました。
特に色や質感にこだわる巨匠と言われた画家達は、出来合いの絵の具では満足せず、
アトリエで自分で色を作り上げました。
「ヴァン・ダイクの褐色」や「フェルメールの青」は、そんな画家達のオリジナルの絵の具だったのです。
自然の素材で作った絵の具は、数世紀を経ても変わっていません。
今の化学薬品の油絵の具が、500年後にどうなっているか。。。と思うと、油絵の具一つとりましても、
手と時間ををかけて作られたものは、大きな違いがあることがわかります。
リネンは日本語では「亜麻(あま)」と呼ばれます。
19世紀初めのフランスの古典派詩人、リールの詩に書かれた「亜麻色の髪の乙女」には、
「 夏の明るい陽を浴びて ひばりとともに愛を口ずさむ 桜桃の実のくちびるをした乙女 」
という一節があり、
リネンオイルのような黄金色の髪をした乙女を書いた詩に、
インスピレーションを受けたピアノ曲には、ドビュッシー作の前奏曲がありました。
リネンは、それを栽培し、紡ぎ、織り、布地になり、レースや刺繍で飾られ、
オイルは家具や絵に残り、
言葉は詩や音楽になりました。
さまざまな使われ方をするリネン、
リネンは、ヨーロッパの人々の暮らしとは切り離すことができない文化の一つなのですね。
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