19世紀中期〜後期、アンティークバカラあるいはクリシーのフラワーベースです。
細身で優雅なラインは第二帝政時代特有のエレガントなオブジェです。
金彩で、鳥と蝶々、流れるような花模様と花かごが描かれています。
ふわっと上に向かって広がる扇のようなデザインが特徴です。
当時の花瓶は珍しいのですが、より珍しいのはこのクリスタルの色です。
このようなスミレ色は、まるで森の中の匂い菫のように
今にも香りが立ち上がってきそうです。
源氏物語で最も美しい葵の上は「菫の女王」。
日本でもスミレ色はミステリアスで高貴な色ですが、フランスでもエレガントでスペシャルな色「ヴィオレ」です♪♪♪
作品番号が底に金彩であります。
様々な花やグリーンと合いますが、
飾るだけでも光を受けて輝き、目を楽しませてくれるオブジェです。
*カケ、割れのライン、水シミなどは全く見られませんが19世紀中期〜後期のお品です。
*金銀彩
主に18世紀から19世紀後期の王侯貴族の注文品であったオブジェに見られる。バカラやサンルイ、クリシーの金彩は厚みがありハイキャラットゴールドを使用、100年を超えてなおその色と繊細な絵をとどめている。
* バカラ Baccarat
「バカラ」はフランスで1764年に創設されたクリスタルガラスのメゾンである。
アンティークの作品で18世紀中期から19世紀後期までに作製されたオブジェの多くはヨーロッパ王侯貴族や大ブルジョワによるオーダーメイドであった。
バカラの良さは、ヨーロッパで最高と言われる鉛含有率30-38%の質の高いクリスタルガラスのクオリティ、カッティングの美しさ、金彩やグラビュール(彫刻)、エッチングを施し、金や銀、ブロンズで装飾した重厚で繊細なオブジェのデザインにある。
*クリシー Clichy
「クリシー」は1839年にルイ・ジョセフ・マエにより創業、
パリの北東に位置するクリシー・ラ・ガレンヌの19世紀のクリスタルガラス・メゾンである。
バカラ、サン・ルイと並ぶフランスの最も偉大なメゾンで、クリスタルガラスを熟知した技術者ルイ・クレマンドの参画により、質の高いクリスタルガラスのクオリティを保ち、ナポレオン3世皇帝時代に最盛期を迎えている。
クリシーの素晴らしさは流麗で繊細なデザインに現れ、美しい形、グラビュール(彫刻)、金彩、色、レース状、ブロンズ装飾のクリスタルガラスを創作。
1844年のパリ万博で銀賞、1849年には金賞を受賞しその名を世界に広め、
20世紀のごく初期にメゾンの幕は閉じられましたが、創業者のマエ一族は現在も当時の城館を維持し、フランスのクリスタルガラスの歴史を体現する学者としてメゾンの名を守り、家系は存続している。
N. 1132 菫色のクリスタル・花瓶/アンティークバカラあるいはクリシー
フランス 19世紀中期〜後期
素材:クリスタルガラス・金彩
サイズ:H15.3cm x 口直径7.5cm x 底直径7.7cm
価格:4万5千円
* お問い合わせの際は、お手数ですが上記の品番と品名をお書き添えください。